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- 心理学科の特徴
- (1)実験系と臨床系からなる総合的心理学科
- (2)バランスの取れた教員配置
- (3)専門性と幅広い教養を兼ね備える教育
- 教育の特徴
- (1)教育目標
- (2)カリキュラムの特徴
- ・ 少人数・双方向的な教育
- ・ 臨床心理学教育の充実
- ・ 情報処理教育の充実
- (3) 充実した施設・設備
現心理学科の前身である人文学科心理学コースは昭和41年(1966年)に創設されました。草創期以来、わたしたちは、実験心理学と臨床 心理学の専任教員の共同研究として、脳波などの生理的指標を用いる個人差の研究を行い、また臨床志願の学生に対しても、低学年においてまず実験心理学の基礎を学ばせるという一貫した教育方針を守ってきました。
この教育方針は、実験心理学固有の意義に加えて、臨床心理学の教育には実験心理学の基礎教育が必要だ、という理念に基づいています。
平成8年(1996年)創立の心理学科においても、こうした心理学コースの伝統と理念を受けつぎ、実験系と臨床系の2部門の高い融合を実現する、わが国では数少ない総合的心理学科を目指しています。
心理学科における実験系と臨床系の2分野は、それぞれが基礎研究と応用の両面に力を注いでいますが、とくに実験系では、今世紀半ば以降に急速に展開されつつある認知・学習過程への情報処理アプローチの新しい動きに対応できるカリキュラムが編成されています。また臨床系でも、平成4年の大学院修士課程新設を機に、相談室やカンファレンスを舞台に、現実志向の学生や社会のニーズに応えるべく、活発な研究教育活動を展開しています。
心理学科では、現代心理学の重点的な領域をカバーできるように、バランスよく専任教員を配置しています。すなわち実験系では、認知、発達、社会、動機づけ、生理心理学を専門とする教員を、臨床系では、人格や心理アセスメント、カウン セリング・心理療法の他、高齢者の生きがいなど、現代社会の抱えるもっとも深刻なテーマと取り組んでいる教員を擁しています。また隣接諸科学との境界領域で最先端の研究成果をあげている研究者を非常勤教員としてお迎えしています。
心理学科では、前記の教育方針の下で、高度の専門知識と技能の習得を目指して いますが、他方、専門教育の狭い殻に閉じこもることなく、広い視野と教養とに裏打ちされた柔軟な判断力を備える、健全な市民を育成することをも目指しています。
このため必修科目数を極力抑え、個々の学生が自由な視点から多様な科目を、多数選択できるように配慮しています。また、心理学を学ぶ者に不可欠の教養として、心理学の歴史やその哲学的基盤を、科学史的文化史的背景と合わせて、統合的に学ぶことができるような固有の科目も用意しています。
これによって、学生は諸学の中での心理学の位置や、諸学と相携えて心理学が歩むべき道のことを絶えず念頭におきつつ、自らの選ぶ各専門領域の学習にいそしむことができます。
心理学科は、本学の21世紀ビジョンである「社会知性の開発」に向けて、心理学の様々な領域で蓄積されてきた知識と理論(「知」)及び研究方法(「スキル」)を実習を通して修得させることにより、現代心理学の持つ批判的、分析的、かつ主体的な人間行動理解に到達させることを目標としています。また、心理学科は、「社会知性の開発」を通して、次のような人材を養成することを目的としています。
- 学部を卒業後、心理学科で学んだ知識や技術を広く社会に還元できる人材
- 学部を卒業後、大学院へ進学し、将来研究者として心理学の進歩に寄与し得る人材
- 学部を卒業後、大学院へ進学した後、公認心理師・臨床心理士などの資格を取得し、臨床家としてひろく人のこころの健康のために貢献し得る人材
- 学部を卒業後、国家・地方公務員として、あるいは民間企業の中で心理学の専門知識を生かしながら各部門で責任ある指導的役割を果たし得る人材
- 学部を卒業後、心理学とは直接関連しない職責にあっても、心理学教育を受けたことで習得し得た、人間と科学に対する深い理解を持つ常識ある市民
心理学科では、現代心理学の認知、発達、社会、臨床の各領域について、偏りなくしかも系統的に、それらの基礎となる知識と技術を修得させようとしています。
具体的には、次のような諸点に配慮してカリキュラムを構成しています。
心理学教育は教授と学生の双方向の討論によってはじめて、実効的な成果があがります。心理学科の場合、一学年あたりの学生数は70名程度ですので、専任教員一人当たり学生数は5人(70人/14)です。
また、心理学科のカリキュラムの柱となっている次の4科目、 すなわち「心理学基礎実験1」(1年次)、「心理学基礎実験2」(2年次)、「心理学研究法1」(3年次)、「心理学研究法2」(4年次)はいずれも実習を中心としたものです。これらの科目では、少人数の学生グループと指導教授、実習助手、助手、ティーチングアシスタントが相互に討議を重ねながら指導が進められます。
本学大学院心理学専攻には、「専修大学心理教育相談室」が付設されています。学科の学生は、臨床実践が行われているその施設を利用して、臨床心理学的援助法としてのカウンセリングや心理アセスメントを少人数討論形式で実習できます。 とくに臨床心理学への志向の強い学生には、さらに高度でこまやかなカウンセリング実習や心理アセスメント実習の他、施設見学、施設実習、グループ体験、箱庭療法実習などを含む「臨床心理学実習」が用意されています。この授業はスーパービジョン形式で進められます。
また、「臨床心理士」などの実務家養成のためのカリキュラム案にできるだけ沿うような科目配置をしていますので、資格取得を目指してさらに学習を進めようとする学生には、その基礎を固めさせ、学部で教育を終える学生にも臨床心理学の広がりと深さが理解できるような体制を整えています。
心理学では、自分でプログラミングすること、実験や調査あるいは検査から得られたデータによってデータ─ベースを作成し、心理統計学の手法によってデータ解析をすることが求められます。
心理学科では主要な情報教育科目として 「心理学コンピュータ実習」や「情報処理心理学実習」「心理学データ解析」などを用意していますが、「心理学基礎実験1」および 「基礎実験2」さらには 「心理学研究法1、2」でも先進の情報環境を活用して多様なコンピュータ利用技術が指導されています。
- 子ども研究のために細部に及ぶ配慮にもとづいて設計施工されたプレイルームと完備したモニター装置類
- 箱庭療法などの各種心理テスト、心理療法用具の完備した面接室
- 脳波を中心とする精神生理学的測定機器および記録・分析機器
- 中枢神経系による情報処理の解析を行える電気生理学実験室と関連機器
- 音楽・聴覚研究のための防音室と、シンセサイザーなど関連する測定機器類
- 重要な洋雑誌を豊富に所蔵
- すべての学科内PCからオンライン検索できるPsycINFO雑誌データベース(1887年以降の心理学文献のレファレンス100万件以上を収録。精神医学、教育、社会学、看護学、薬学、その他多くの心理学関連分野の文献抄録、要約が収められています。)
- すべての実習室に設置された情報コンセントとUnixサーバーを中心にし た最新のIT環境、学科専用のパソコン室
- 臨床面接室や実験室、備品の使用予約のためのウエッブ予約システム。学生・院生にも開放されています。
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